MMP-C西新橋の都市型住宅2007年

MMP-C

ここから内部空間の紹介です。この住宅は狭小敷地(15坪)のため各フロアに住宅の「室」としての要素を当て込みそれが積層する形ではじめて一つの住宅として機能すべく計画されています。まずは2階の寝室。

MMP-C

寝室はバスルーム、パウダールームとセットで配置されます。INAXのスイートルームを使用。浴室と寝室の間仕切り壁はガラス張りで構成され、空間的な広がりをその寝室、浴室に同時に与えています。浴室の浴槽部分は埋め込み型の浴槽を使用しているため基壇状の箱を置く形で表現。その箱は一部寝室側にはみ出す様に境界線を曖昧にさせながら存在します。

MMP-C

寝室のコーナーからバスルームを見返した様子。ベッドと浴室の位置関係がわかります。浴室のシステムはこれでもユニットバス。INAXのスイートルームというシステムユニットを使用。システムの天井だけを除いた形で他は全てそのユニットで構成されます。

MMP-C

浴室、洗面脱衣室に正面から向かった様子。浴槽の入った部分だけ白いモザイクタイル。それ以外を黒く細長いモザイクタイルでPCの壁面に対して衝立を置くような形で設置。浴室空間を演出します。

MMP-C

バスルームから間仕切りガラスを通して寝室を見た様子。

MMP-C

3階のリビングルーム、その一部吹き抜けとそこにある螺旋階段を通して4階と連続します。4階はダイニングキッチン。写真は吹き抜けを介して4階に繋がる3階、リビングルームの様子。

床に落ちる縞状の影は窓のロールスクリーン状の二重ブラインド、シルエットシェード(日本ハンターダグラス)の醸し出す文字通り「影」。フローリングの方向に対して正確に直行します。

MMP-C

天井がある場所から吹き抜け側(窓側)を見返した様子。ここに置かれているソファはフレックスフォルムのグランドピース

MMP-C

ソファ、螺旋階段といった要素がそれの置かれる全面開口部に対峙する様子。ソファはピース状に構成されていて、両サイドのアームレザーの棚で固定される。このアームレザーの棚は写真の様に見付寸法を絞って一枚の紙の様に薄く見えるところがポイント。ソファの柔らかい塊とアームレザーの対比、更にはそのソファーの質感と背景の螺旋階段の線材との対比が重なって見える場面。テーブルはパルッコ。

MMP-C

天井の低い部分に置かれたソファをスポットライトが照らし出す様子。

MMP-C

吹き抜け側から天井の低くなっている方を振り返った様子。ほぼ正面から見ると連続するPCの壁面のリブがそのまま床スラブのリブ(梁)と化し、門型にそのフロアを構成する様子がわかります。建物としてはこの門型のエレメントを積層する形で積み重ね、壁のリブ内に入れた鋼棒により最上階と1階で緊張し縦方向の剛性を保ちます。この写真はその一つのエレメントのはっきりとした姿が認識される場面。

MMP-C

日中に螺旋階段に正面から向かった様子。

MMP-C

吹き抜け部分、更にはその上の天井の様子、とそこにかかる螺旋階段の関係。垂直、水平だけで構成される室内が螺旋階段のスパイラル状に湾曲する「線」により緩みます。

MMP-C

吹き抜けを貫通する螺旋階段を正面から見た様子。この螺旋階段は段板の振れ止めとなる下弦材と手摺りとしての上弦材でスパイラルな帯状の「梁」を構成します。

左:上:螺旋階段のステップから吹き抜け部を見返した様子。