TZK-02バルコニーシステム-022000年
集合住宅のバルコニー部分はこれまで多業種の集積からなる極めて複雑な工事の積み重ねでした。ここではそのバルコニーを工場生産で行うプレキャストコンクリートとアルミ型材だけで構成する手摺り、縦樋、隔て板といった要素をシステム化し、短工期で見栄えのよいシステムの構成を目指しました。
従来の工法と大きく違う点は
- バルコニーそのものが工場生産のプレキャストコンクリートである。これはプレキャストコンクリートの圧縮強度を500kg/cm2まで高め、緊張により躯体の外側から圧着させる工法で、在来の現場打ちコンクリートによるスラブの3倍以上の強度が確保できます。
- 縦樋をアルミ型材で製作し隔て板の支柱に兼用し、外観からは完全に縦樋を認識できないシステムとしました。これによってスラブの外側に縦ラインを通した外観となります。
- 手摺りのサポートをスラブ小口から支えバルコニーの有効巾を広げると同時に笠木貫通を避けた取り付けとなります。
の3点です。
このパターンは腰壁に厚さ7mmのフラットバータイプの面材を横に連続させて正面から見ると極力細く、横から見ると殆どその奥行きによって見えなくなる形状の手摺りを使ってます。腰パネルとしてユニット化されたパネルはスラブの下まで伸び、そのまま物干し用受け金物を併用する形で本体の壁にアンカーされます。スラブから垂直方向に腰壁を立ち上げていないのでモーメントのバランスもよく、その分手摺りの柱を細くすることが出来ます。