ODL-02光る階段2001年

ODL-02

通電すると面状に発光し、遮断すると透明に近づくという「面状発光技術」を用いた製品の一例です。究極の目標は「光る段板だけが浮遊する状況」そんなシンデレラの舞台の様な情景を思い描きました。すなわち「支持材のない透明な段板のみで構成される階段」でありその支持部材の軽減に注力しました。

ODL-02

ここで採用された支持材は繊維の調合率を変更し最適化に近づけたGRCです。一つのユニットを眼鏡フレームの様な形でリング状にし、そこに段差をつけて面上発光体を落とし込む方法でガラス面を固定します。またリング状のGRC内に配線スペースも設けるため極力少ない肉に複雑な形状が求められました。この様にして計画されたGRCを鉄製の型枠を用いて複数成型し、数珠繋ぎにし上下間に20トンの緊張力を加える事によりこの螺旋階段は成立します。強力な圧縮応力と同時に繊細で細かな加工、更には殆ど肉の残らない状態としての存在、これによって「支持材のない透明な段板のみで構成される階段」に少しでも近づけたと言えます。

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