MYK-Pカープラザ宮古1998年
この建物は全国営業拠点(自動車ショールーム+サービス工場)の一つとして計画されました。と同時にそれは同社が押し進めるスーパーローコスト店舗計画のプロトタイプとして系列営業拠点のパワーアップを目的に推進される計画としての側面も持ちます。このスーパーローコスト計画のプログラムは次の要求から成ります。
- 単一化された平面計画ではなく、敷地形状にそった可変プログラムである事
- 5年サイクルの内装リニューアルが可能な事
- 視認性を損なわない事
- 工事費が外構別で坪あたり40万円以下であること
これをもとに次の様なプログラムで実行に向けた
- 平面計画を単純な長方形の矩形とし、ショールームとサービス工場のボリュームの違いはそのまま平面的な長方形の分割でとらえる
- 構造体はビルドHの鉄骨とし、応力に応じた最適解の断面とし、構造体は圧縮方向に配置する事を極力避け、引っ張り材を多用する。結果として制作物の鉄骨が用いられるため、施工図は私達で作成し、制作は中国にて行う
- 結果として得られる上部構造体の軽減に伴い、基礎、土工事を極力0に近つける
- 外壁材、屋根材、鋼製建具をメーカー直接取引とし材と工を分離する
この結果建物の受ける応力を断面的に1点に集中させる形状を得て、親が子供をおんぶする時お互いが反対側に倒れ込む様なつりあい方を曲線のバランスとして表現しました。
フロント部分はサッシを用いずにスチールFBを組み合わせて作ります。ガラスはそのFBを基準に納める形になり、FBはそのままポストを兼ねます。