LANDランド東京支店2006年

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東京駅八重洲口北側の高層ビルのワンフロアーに2006年の初夏にオープンした(株)ランド東京支店他の入る複合オフィススペースのインテリア計画です。連結子会社及び東京支店が複数入居するため、その共有スペースのありかたは通常と少し違った形になりました。エレベーターホールからアクセスする人を斜めに受け流し同時にその受ける「面」としての壁が重すぎず、軽すぎず、という見え方を探りました。

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このオフィスインテリアの基調となってる「斜めに振れた壁」 はひだ状に3枚の壁が重なるように配置されています。その壁と壁の間のひだの部分からそれぞれの執務室、応接室へと続きます。
ここで我々が求めたのは「天井に達しない壁」です。壁を床面から自立させその控えを天井にとらない計画のためそれぞれの壁は全てその端部に鉄骨を入れ、その鉄骨の広めのベースプレートを床スラブにアンカーさせることによりキャンティの壁として成立させ全ての間仕切りを天井から遊離させています。その天井との隙間は全てガラスが嵌められ視覚的な抜け感とそれぞれの遮音を保っています。

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天井は原則として既存の天井を半分くらいそのまま使用し、このエントランスの共有ゾーン、会議室、社長室の天井を面として浮遊させその空隙にナローのスポットライトを配置し床面を照らしています。
上の写真は連続するひだとしての壁と壁の空隙から執務室の入り口をのぞんだ様子。

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共有スーペースは壁が斜めに振れているためパースペクティーブな効果が得られます。左の写真はその一面。「逆パース」となり実際より近くに感じる執務室のドアの様子。

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エレバーターホールから入り口の扉を通して見た様子。真正面に斜めの壁の切れ目に配置されたサイン、及び遊離する天井面とその空隙にある照明が見られます。

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パースペクティーブ効果の最も強い立ち位置からのビュー。実際よりもかなり遠くに感じられます。これはカメラの広角レンズの影響もありますがこの様な仮想バニッシングポイントを存在させることでその深さに更に奥行きを与えることが出来ます。

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会議室の様子。会議室上部もこの様に上部を抜いています。閉鎖的な空間に開放感、抜け感を持たせるためにあけた上部とその上で連続する天井。

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同じく会議室の様子。面として分離された天井とそのまま執務室に続く天井が仕切られた空間に対峙します。