YYI-C弥生町の二世帯住宅2007年

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中野区弥生町の幹線道路から1本細い道を入ったところに計画された二世帯の住宅です。敷地が面する細い道も法42条2項道路と言われる「将来的に道路となる予定の道」であって現実的には幅員2mの袋状の小径。その小径に面する形でこの住宅は計画されました。
与条件より建物を耐火建築とする方法を選んだのですが、

  • 搬入の問題で鉄骨は使えない
  • RCにすると杭が必要となり、その杭の搬入が出来ない

ということから必然的に木造で耐火建築となる新しい手法「ツーバイフォーによる1時間耐火」なる方法を選択、実行しました。
ツーバイフォーという工法は本来はその「熟練工」を必要としない簡易な組み立て方法をして輸入されたシステムですが、日本の様々な規制、利害関係に揉まれていくうちに特殊な工法となり、しかもそこにボード4重貼りといった手法で耐火建築にまで持っていくため乾式工法でありながら最も手の込んだ建物に結果的になったと言える住宅です。

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上下階で完全な二世帯住宅になっています。1階は写真の中央部分が玄関。二階へは外階段を昇って別の玄関から入ります。

左:上:外階段は鉄骨、グレーチングの段板による階段です。

右:下:2階住戸の玄関。玄関を通して反対側まで視界が通ります。

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2階、3階はこの二世帯住宅の一世帯が住みます。写真はその2階部分。この階は全体が一つのワンルームになっていて洗面脱衣室、浴室も天井は穏やかにつながり広い一体感をもたすべく構成されています。木造ツーバイフォーによる耐火建築であるため、天井は石膏ボードの上からシナ合板を貼っています。

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リビング・ダイニングに置かれたステンレス製のシステムキッチンを正面から見た様子。

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システムキッチンに沿って洗面脱衣室、浴室側を見た様子。

左:上:洗面脱衣室から浴室を見た様子。浴室はハーフユニットバスを使っているため腰部分より上の仕上げが自由に選択できます。

右:下:浴室内部から反対側を振り返った様子。

左:上:洗面脱衣室からキッチンを見た様子。

右:下:ガラス引き戸の吊りレールのディテール。

2階の一部は小さな吹き抜けになって3階と繋がります。その様子。

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3階部分は前面道路斜線の影響で壁が斜めになります。その斜め部分を一部吹き抜けにして2階と連続させています。更にそこにトップライトを設け、階下に光を落とす形にしています。写真はその小さな吹き抜けに正面から向かった様子。トップライトは木製ベルックスウィンドウ。

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可動間仕切りで3つの区画に別れる形になっています。右側は共有のクローゼット。

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可動間仕切り全開の様子。

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1区画を仕切った様子。

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全て仕切った様子。

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左:上:2階から続く階段部分。階段からはそのまま屋外の小さなバルコニーに出られます。

右:下:そのバルコニーから家のなかを振り返った様子。